水を縫う 寺地はるな著

手芸に心を捧げる弟。「かわいい」を受け入れられない姉。失敗を恐れるシングルマザーの母親。枠から出たかった祖母。家族を見守る父親の友人。

流れ、ゆらぎ、雨、水面。読んでいて心のどこかに浮かんでくる水の気配。読み終わって優しい気持ちになる。自分の中の小さな望みに気づいて目線を変える。たった一歩踏み出すのは簡単そうで簡単じゃない。

でも、そうありたいと少し背中を押してもらえた気がします。